ユーティリティ・プレイヤー
今日は歯医者の帰りに、炸醤麺の『海碗居』へ行った。
家から歯医者が遠いので、この機会にと思ったら、歯医者から海碗居も決して近いとは言えない距離だった。心理的に。
まず歯医者のある公寓を出て、超広い通りに出る。
で、その超広い通りを『首都図書館』とは反対向きにどんどこどんどこ歩くのだ。
勁松より南にあるこのあたりは、シムシティ4で言えば§〜§§クラスの雑居ビルがみっしり建っていて、そのどれもが大繁盛でもなくシャッターでもないという、日本にはありそうで無い風景。それが道沿いに延々続いているので、1歩ごとに心細さが募る。これが欧州の旧都市や中東など完全な異文化による建造物だったら割り切ることができるけど、一つ一つは見慣れた作りなので動揺が大きい。まだ着かないかな、まだ着かないかなと思っていたら、屋内プール場があって、KTVがあって、そのKTVの角っこが目指す『海碗居』であった。
お昼時から完全に外れた時間に行ったけれど、店は営業していてお客もいた。家族連れもいた。家族連れの中に混ざっている小朋友が前髪だけの髪型で「おおっ」と思った。
内装は中華風の照明と簡素な広い部屋だった。椅子は硬いけれど机周りもいたって清潔で問題はなく、「いま私は外国で現地の定食屋に来ている!」という充実感を心置きなく堪能できる。
炸醤麺とコーラを注文し、携帯を触ろうとしたらその前にコーラが出てきた。常温で。
「え、これでっか」
という顔をして服務員のお姐さんを見ると、
「あら、そうだったわね。ちょっとまって」
という顔で一旦奥に引っ込んだので、
「なんだぁもぅ脅かさないでよー」
と思っていたら、プラッチックのコップ(氷は特になし)を出された。そうですか。手酌で常温のコーラを飲む私。
常温のコーラを飲みながらキョロキョロしていると、これまたいくらも経たずに炸醤麺が出てきた。
麺だけが入っていた丼にお姐さんが小皿の野菜を入れてくれて、肉味噌だけを別にテーブルに置かれる。
愛読しているayaziさんのブログの記述に従い、肉味噌を浮いている油ごと混ぜて、食べる。
ンマイ!
これはいい。
美味しい。
決して上品ではないし、なんていうか「美味」というのとも違うのだが、こってりした味に、麺の太さも丁度良く、うまい。それに、新鮮そうな野菜が少しずつ何種類も入っていて、健康を気遣う気持ちも満たされる。肉はそんなに多くないけど、少なくもなく、それよりも私の好みの固茹で枝豆がたくさんで嬉しい。もちろん他の野菜も肉味噌に合う。セロリとか。もりもり食べて、余った肉味噌も常温のコーラのつまみにちびちびと食べた。脂身がまたコーラに合うんだな。コーラが冷えていればもっと良かった。
というわけで、大満足のうちに店を後にした。
ayaziさんによると副菜も大層美味しいらしいけれど、一人じゃ食べきれないなぁ。
- 作者: 勝又あや子
- 出版社/メーカー: 東洋書店
- 発売日: 2010/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
ちなみにこの本によると、中国ではコーラどころかビールが常温で供されるケースも少なくないそうな。私も早く、『冷たいのを出してくれ』って言えるようになりたいな。