ド迫力の酸性雨
我が家には、私が一人暮らしを始めたときに買ったざるとボウルのセットがあって、今に至るまで複数回の引越を経て未だに使っている。
どこにでもある製品だと思うのだが、この網目の大きさが絶妙で、割れ米や小さな粒はボウルに落ちて普通の米粒はざるに残るので北京在住時に現地で買った米を研ぐときに大変重宝していた。研ぐときにというか、研ぐたびに感謝していたと言っても過言ではない。にもかかわらず、本帰国してしまえば日本のスーパーで買ったお米に割れ米なんて滅多にないし、そもそも無洗米を買っていたのでこのざるのありがたみはすっかり忘れていた。
しかしここにきてコロナの影響から日本からの物流が止まり、自分で持ち込んだ日本米も尽きた。地元のスーパーでイタリア米を買い、研ぐ段になってこのざるのことを思い出し、他のざるも持ってきていたがあえてこれを使ったら3合からティースプーン一杯分くらいの米の欠片が出てきた。感動した。
北京にいたときはみんなで食べるのでも2合炊けばおつりが出たが、今では3合が一度の食事で無くなるので、研ぐ量もそれだけ増える。水と米に手首まで沈ませながら、年月が経ったんだなぁ、みんなこんなに食べるようになったんだなあと感慨深くもあった。