今も空気を読めない日記 <ichigomomo’s blog>

日々自分のことしか考えていない「イリキ ひじり」の日記です。

息を止めて

いよいよ出産だ。
NST(お腹の張りと赤ん坊の鼓動を聞き取る機械)とも今日でおさらばだ。もっとも今回はあまりご縁もなかったが。
朝、点滴。『手術用の太い針』とのこと。イヤだったら手術後に刺し直す、と看護士さんに言われた。なるほど、いつもより違和感がある。でも刺し直すのも痛いわけで、どうしようかなぁと考えた。
前回はその後『麻酔の効きを良くする』筋肉注射を打たれたが、今回はそれは無かった。しかし、血栓予防の機械は運び込まれて、あ〜あ。五月蝿いんだよねこれ。でも、前回より小型のものだったのでその他の機能も改良されているかもしれず、期待されるところである。

そうこうするうちに時間となった。手術室までは車椅子で運ばれる。ベッドではないので前回ほどものものしい雰囲気ではないのだが、看護士さん同士では他の病棟の担当間であってもそれと判るようになっているらしく、エレベーターも通路も最優先で通してもらえてワクワクした。おまけに手術室をぐるりと見回す余裕もあり、気持ちはいやが上にも盛り上がってくる。

(※このブログを書いているのは事後です。実況しているわけではない、もちろん。)

まず(たしか)腰への麻酔。左を向いて横たわり、体を丸めて脊髄へ針を・・・
これが痛い!
痛いし怖いよね、脊髄て。脊髄だよ。一歩間違えれば大惨事だよ。そうじゃないかしら?このとき初めて、「気軽に子供なんか作るんじゃなかった」と思った。だって痛いのやだもん。おまけに今回は左脚に火花のようなしびれが来て、変な悲鳴が出た。
私「ひぃやぁぁぁぁ脚が脚が」
女麻酔先生「どっちの脚?」
私「え?えーとえーとえーと」(※普段から左右盲
麻「上か、下か。」
私「えーと左です」
麻「今位置を直しているからね」
ええっ位置を直すって刺し直し?それもこわい。

なお、今回の手術では前回麻酔の効きが一部不十分だったことをふまえて量やなにかを工夫してあるとのこと。
いつも通りニコニコのゴルゴ先生と短く会話をし、麻酔の効き具合を確かめられ、なるほど足が動かせなくなってきたというところで消毒をされ、いよいよ切られはじめるようだ。
私「( ゚ Д゚) 」
ゴルゴ先生ではない産科医師「え、痛い?」
(全員の手が止まる)
私「はい・・・何となく・・・?」
産「おかしいなー」
私「もう切ってるんですか?」
産「うんもう切ってるよ」
(うなずくゴルゴ先生)
私「そうですか・・」
産「もし効いてなかったら絶叫しているはずだよ?」
私「あ(・ω・)そんなんじゃ全然ないです」
室内の空気がふっと緩和し、みなさん自分の作業に戻られた。

そう、前回も驚いたが、手術というのは結構多くのスタッフがいるのだ。
「たくさんいるでしょう、帝王切開は産婦人科医と麻酔医と小児科医がいるから、これだけの人数になるんですよ。」
と、女麻酔先生の作業を監督していたチーフ麻酔先生が手術中に教えてくれた。
私「ゴルゴ先生が全てお一人で作業されるんだと思っていました」
チ「うんそれはブラックジャックだけだな」
ゴ「ごめんねぇ、僕ブラックジャックじゃなくて(笑)」
私「いえ私も免許のある先生に手術していただきたいです」
上4行の会話は嘘です。だってチーフ麻酔先生やゴルゴ先生たちがブラックジャックを知らなくて2〜3行目のツッコミが成立しなかったらイヤだもん。漫画の一冊も読む暇がないほど勉強しまくらないと医者になれなかった人から手術されるなんて怖いんだから、そんな事実があったとしても手術中に判明したくない。
(チーフ麻酔先生やゴルゴ先生が医師免許を持っていなくて4行目のオチが成立しないという可能性もあるが・・さすがにその辺は信用している。その事実があったとしても手術中に判明したくないのは同じだ。)

前回はギコギコ切られたが、今回はレーザーメスが導入されたようで、シューシューいう音と煙が切っている証拠らしい。
麻「もう少しですからね。」
私「あの、お腹を切っても赤ん坊は切れないんですよね?」
麻「うん不思議だよね。でもそれは先生方の技術もあるし、子宮を切ればその穴から羊膜が押し出されてくるから、それを破れば圧で赤ちゃんも押し出されてくるんですよ。羊膜は(メスでなくて)手で破るんです。」
私「手で。そうなんですか・・・」
動きの鈍った頭なので充分に想像することができなかったが、とにかくうまくいくらしい。
<つづく>