今も空気を読めない日記 <ichigomomo’s blog>

日々自分のことしか考えていない「イリキ ひじり」の日記です。

イグサと椎茸の煮物

2月12日、予定通り金をスッた我々は、ターボジェットのチケット売り場においてカジノでスッたときの何百倍も驚き---いや倍では表せない。カジノで予算を全額スるのはキャセイパシフィックのチケットをブッキングした時点で確定していたので意外度0である。0には何を掛けたって0である---とにかく膨大に驚愕した。

マカオから尖沙咀行きのフェリーの座席がエコノミー・スーパーシート全部含めて売り切れていたのである。ちなみにこのとき21時にもなっていない。尖沙咀方面の売り場には既に人はほとんどおらず、居るのは口論中のジジイだけであった。座っている服務員は明日以降のチケットを売るための係員であった。

そのときにして思えば、往路のチケットを買おうとしていた時点で予兆はあった。フェリーは15分おきに出ているのだから席ぐらい無限にあると思っていたら、エコノミーは2時間以上待っても空席がないとのこと。仕方なくスーパーシートに座ったが、観光地で越境することを考えたらこんなもんだろうという程度の金額でそんなに気にならなかった。気になったのはいつまで経ってもハケない入国審査の行列である。解放されてすぐ、我々はグランドリスボア行きのバスを待った。このバスが何故かなかなか来なくて、他のカジノ行きのバスを十台以上見送った。どのバスも定員の7〜8割は埋まっていたように思う。そしてグランドリスボアの中も人でミチミチであった。つまりマカオじゅうに人がうじゃうじゃいたのである。

それについてあまり深く考えなかった我々。ガイドブックにはきちんと『帰りのフェリーチケットを買っておきましょう』的なことが書いてあり知らなかったとは言えない。そんな中、人は少し離れたところに列を成していた。行き先を見ると、『香港島 03:15』の表示。うおーーーーーーぃぉいおぃおぃ!!!全力ツッコミ!!!

一方尖沙咀行きチケット売り場の隣に、やはり誰も並んでいない窓口があった。フェリーチケットと同じ体裁なのでしばらく気付かなかったが、ヘリコプターチケットの売り場であった。ヘリて。よく香港からマカオに渡る一般市民が『カジノで大勝ちして帰りはヘリに乗ろう』なんて話す場面を漫画等で見かけるが、それはあくまでギャグのネタであって、マカオのカジノでは断じて勝てないし本当にヘリに乗る庶民はいない。我々もそんな気はさらさら無かったが、やけくそで料金を聞いたらお一人様4200HKDだという。あ痛ーーーーーーーーーー!!!成田−香港のチケット代ぐらいかかる。私は顔を覆いながら、高所恐怖症の旦那がどんなアイディアを出すのかと期待していたがこの時ばかりは無言だった。だが数秒考えた末に出した結論は『两个人』。快諾して手続きに入る服務員。

そうと決まったら騒いでも仕方がないので慎重に経緯を見守った。目的の便は15分後。取消が出来ないことを何度も念押しされた。
旦『えっ15分後なんて乗れるの?』
服「没问题」
支払いはカードでも可。人民元払いも可。この日は3000元台後半だったかな?いまレートを計算したところ、4200HKD≒3356RMBだった。レートは悪いが、お給料を人民元で受け取っていてしかも帰国間近なご家庭はこういうところで人民元を使い切るのも手かもしれない。
支払いが済めば我々はクライアントである。出国審査場へうやうやしく通され、審査自体も特別レーンで待ち時間0だった。離陸までの時間は待合室に通され、缶ジュースや軽食のもてなしがあった。チャーシューまんは美味しくなかったが餃子の皮を素揚げしたパリパリは予想通りの味で美味かった。そして渡された入国書類には予めデータがプリンター印字されている。

ジュースを飲む暇もなく搭乗口へ案内された。既にヘリの音がしている。案内嬢はヘッドホンを付けている。我々は耳栓を渡されたが風の吹く屋上でこの軽い耳栓を扱う気になれず乗り込んでから耳にセットした。シートベルトは五点式。安全が確認されるとフワリと浮く。しばらくはただの海上で、眼下にフェリーを見下ろしながらの航行である。私はこのとき「あの人らどんな上手い手を使ってあっこに乗り込んだんだろう」と恨めしい気持ちだったが、旦那は「ザマーミロ!!!」と思っていたらしい。

帰路が確保された余裕で他の手を思いついたので書いておく。

  1. 香港島行き03:15に乗る。
  2. 4200×2HKDを上限にマカオのホテルを探す。
  3. 『○○○HKD払うからその2席空けろ』と書いた紙をフェリーターミナルで掲げ、最も早い時間のチケットを提示した客から買う

1は出発時間までの過ごし方も不安だが、香港島到着が4:15以降である。入国審査を出るのが5時前か。タクシーが捕まるとは思えない。ホテルが尖沙咀側でなければこれでも良いだろう。
2はこれだけの金額を出せばどこかは空いているだろう。替えのパンツもコンタクトの洗浄液も持っていなかったが、非現実的とまでは言えない。
3は・・・我々には無理なのでチャレンジ系の番組等で見たい。*1


着いた先は香港島であった。香港側の入国審査は一般市民と同じ長蛇の列に並ばされた。だがただの夜更けなのでタクシーは容易に見つかった。香港島から尖沙咀までが長くてタクシー代もタクシーとしては莫大だったけれど、もう帰ってこられただけで十分だよ。次回マカオに行くときは、フェリーチケットを買って、ちゃんと計画を立てよう。そうすればセナド広場にも行ける。ていうか春節に行くな。国慶節もたぶんダメだ。

*1:制作者の皆さん、ご連絡お待ちしています☆