ゆったり感
以前、思い立って日本から取り寄せた『プラハの春』だが、思ったより分厚かったのでしばらく棚の中に入れっぱなしになっていたのだが、読み始めたら一息だった。
合間合間にヅカ版の『プラハの春』を見たら、これもまた素晴らしい。渚さんはカテリーナにぴったりや!!『プラハの春』が渚さんをイメージして書かれた本と言われたらうっかり信じそうなほどだった。ただ、ちょいちょい気になる場面もある。ジャン・ポール・ゴルチェの衣装が豪華すぎる。説明しなきゃいけないことがありすぎて香寿さんの台詞がめっちゃ早口。ほかの役者さん達も。そのためか、誰しもが一回乃至数回にわたり台詞をコケている。でもラストはじんときたよ。モルダウいや『ブルダバ』に乗せたダンスが感動的。そういった場面を想像しながらだと、人名がごっちゃになることなく読破できるし。それに、たとえばヘス中佐の本物は口の臭いキモメン(をイメージして書かれた)なんだろうけど、夢輝さんを思い浮かべながらの方が心穏やかに読み進められる、といった効用もある。
チェコスロバキアが舞台のお話なのに、読むとベルリンに行きたくなる。不思議!
そして、良い時代に良い国に生まれたありがたさを確認できる本だった。