今も空気を読めない日記 <ichigomomo’s blog>

日々自分のことしか考えていない「イリキ ひじり」の日記です。

フィンガーボール飲む

今日はサークルの同期と食事に行った。
寿司は美味いよね。
学生時代はやっすい居酒屋でしか飲み会を開けなかった同期と、いま心おきなく寿司を食せるのは、大学を出た後真面目に働いているからだ。
しかし、食うために働かねばならない身となれば、サークル時代とは別の話題も生まれてくる。
研究者の川田君(仮名)は、
『先輩の一人が、研究をまとめ上げた。先輩はそのために、周囲に迷惑を掛けまくった。そしてその成果を手みやげに、別の研究機関へ高飛びをする。』
と顔をしかめる。
SEの山田君(もち仮名)は、
『来年は今の企業との契約が切れるので、次は引き合いのある別の企業の仕事をすることになるだろう。上司と橇が合わない。』
と言い、川田君に「お前も環境が気に入らないならそこから飛び出せば?」と格好良く促す。ちなみに山田君は、SEといっても私のような企業の子飼いとは違い、超絶スキルを武器に世界中を飛び回るスーパーガイなのだ。どうスーパーなのかは最早私には解らん。今日はたまたま日本で仕事があるのでその合間の休日だそうだ。
川田君だって、高飛びしたい先輩に邪魔をされて悔しがるだけの成果を持っているのだろうが、現実問題として、ここまで専門性の高まった研究を適当な余所で続けるというのは困難であるとのこと。それに、迷惑を掛けられて腹立たしいという気持ちはまた別の問題だ。
山田君は環境の変更に何の躊躇もないので、このケースについては友人としての同情心までも薄味である。一方私は、今の会社で『働かせてもらっている』立場であるから、和を持って尊しとしない人に対しては義憤を感じる。感じるが、この10年間の無努力とその結果の実力不足を自覚しているから説得力のあることが言えない。もう少し勉強しておけば良かったと、思わず遠くを見つめる私。

こういう議論はどうしても声の大きい方が優勢っぽくなるものだ。ふと気が付くともともとおっとりした雰囲気の川田君がショボーンとしおれていたので、
「世の多くの女は、安定した普通の男が相手じゃないと子供を作りたがらないから、山田君も川田君の考えを理解しないと子孫を残せないよ。」
と尤もらしいことを言っておいた。
私は私で、生きている証を自分の言葉で残したいのだ。