明日のスター

今日は轟さんのディナーショーである。
なんでも、ホテル側のチケット受付は発売開始後２時間経ってもいっこうに電話がつながらず、即完売の状態だったようである。おそろしや。あのとき、勇気を持って会に入っておいてよかったわさ。
パレスホテルは、古いけど落ち着く空気を持っている。ホテル内のショップが７０年代風で、ドラマ『大地の子』に出てきそうな感じ。見るだけで楽しかった。

テーブルは端っこ席。まあ初回だからしょうがない。最前列は『ファン歴２５年』の人とかがいるのであろう。轟さんのアンドレを生で見た人より前に出る気は毛頭無いのでいいんですが。
私はディナーショーに参加するのが初めてだったので、どのように振る舞えばよいかわからず緊張していたのだが、同席のご婦人方が気さくに話しかけて下さったので楽しかった。私と同じテーブルに着いた方は皆さん『初ディナーショー』という方ばかりで、黎明から入った私も肩身の狭い思いをせずに済んだので有難かった。お互い全くの顔見知らずだったのにすんなり会話が弾んだのは、やはり轟さんのおかげ。そして皆さん、轟さんのことだけを盲目的に追いかけるのではなく、和央さんとか安蘭さんとか、他の贔屓も持っておられる。そうだよね、見れば見るほど他の生徒さんの良さにも気付くのよね。ので、多少の周辺情報も持って参加した方が楽しそうだ。今回も、
「『黎明』では、本当に宙組の皆さんと馴染んでいらして」
「轟さんは組長の美郷さんと仲良しでいらっしゃるから」
「美郷さんも寿さんも、もともと雪組でいらしたんですよね」
など、応用的な会話能力と知識を試された。この調子でヅカファンを続ければ一生ボケ知らずだ。

料理は、まあまあでした。でも最初の「ネギのテリーヌ」は非道い仕打ちだったぜ。周りのハム以外全部長ネギだったんだもの。たしかに上手く調理されていて、臭みも苦みも少なかった。だからって薬味のネギを主役に据えるってこたぁねえだろ。でも、「轟さんがネギ好きなのかも知れない」と思って食べた。他のお皿は、魚料理も肉料理も美味しかった。

ショーは、ほとんどずっと轟さんの歌。未涼さんも桜さんも可愛らしい。間にちょこっと挟まれるトークは、固すぎず、砕けすぎずの真面目な雰囲気で、夢の世界にいるようだった。お歌は知らないものばかりだったが、涙が出るほど感動した曲も１曲あった。もともとの歌詞も素晴らしいのだろうが、ここはやはり轟さんのお声とバックで軽やかに舞う桜さんのお力であろう。

あっというまの３時間だった。同席の奥様方と挨拶をし合ってホテルを後にした。轟さんは専科にいらっしゃるので、私達も当分楽しめそうで、幸せなことだ。