追いかけたものの正体

今日は待ちに待った宝塚観劇の日。月に一度の楽しみだ。
宝塚観劇について、主婦で作家の青木るえか先生は『星組を見に行く』という云い方をされていた。通っぽくて超カッコイイ。私も今日、初めて花組を見に行く。

先月は、ふと気が付いた時には既に「ME AND MY GIRL」のチケットが全日程全席全×で、娘を抱っこしながら地団駄を踏んだ。今月はそのうさを晴らすべく気合いのS席ゲット。とはいえ、ツテもコネも、ていうか宝塚友の会にすら入っていないので２階席が精一杯だったが。今回の出演者はほとんど知らない人ばかりだが、TAKARADUKA SKY STAGEでやっていた「黒蜥蜴」で少しは勉強済だ。真飛聖さんは男らしくていいですなあ。彼(女)がこの作品において中盤以降のほうがイカしていたことから、『男らしい所作』に髭の有無は何ら関係ないことがわかる。

「愛と死のアラビア」は、しっとりと、しかしあっさりとしたミュージカルで丁度良いボリュームだった。
真飛さんは、参上時に自然と拍手してしまう格好良さ。衣装の白さもあってか、終始洗いたてのような清潔感あふれる若者だった。後々調べるとセクシーキャラであることが判明、でも私の心には既に他の人がいるのでそこまではわからなかった。本気で良い男の役。
私は花組の中では大空さんが一番好きなので、彼(女)の時は双眼鏡を構えるのに必死なあまりたびたび拍手を忘れた。我ながらなかなかの失礼っぷりだ。表面上はスカした態度でありながら本当は良い男の役。
壮さんは、無邪気な役どころ。きっとファンが多いんだろうなあ、と推測しながら見るうち、自然とこちらも笑顔になる良さがあった。見た目通り、実に良い男の役。
芝居全体の内容は、もう、タイトル通り。これ以上もこれ以下も無い。愛があり、死で締めくくられる。といっても処刑シーンはないのでお子様も大丈夫。イスラム世界の話なので女は家畜扱い、権力者の娘であっても最後は道具同然、だけどその辺の描写もマイルドだった。シリアスな芝居にちょっとしたお笑い小芝居があると頭が混乱する私だが、今回はそういうものも無く、ラストでスッと感動できる物語だった。

「Red Hot Sea」は、孔雀っぽい衣装が印象的な明るいショー。主題歌が耳に残る。中盤で、手拍子を続けていいんだか悪いんだか分からない場所があったので、そっと続けた。大空さんがたくさん出てきて楽しかった。あと、今回初めてラインダンスが良いと思った。なぜかは分からないけど、いいなーと思いながら見て、２割増の拍手をした。しかし真飛さんはここでもしょーもない争いに巻き込まれて死ぬ場面があり、必要な演出なのだろうが「お披露目公演で２度死ぬ」という事態に内心どんびきだった。よくあることなの？でもまああれだ。しょっぱなが「ゴースト」の人もいるし。
ラストは真飛さんと桜乃さんの軽やかなダンスで締めくくられ、パレードで盛り上がったところで終わりとなった。

DVDも衛星放送も、最近は画像が良いので楽しいけれど、やっぱり本物の舞台の迫力にはかなわない。
また勉強して、また見に行くぞー。