今も空気を読めない日記 <ichigomomo’s blog>

日々自分のことしか考えていない「イリキ ひじり」の日記です。

パリは燃えているか

ところで、私は当初、帝王切開の手術は分娩台でされるものと思っていたのだが、それは間違いだった。手術室は別館の3階で空気の匂いも違った。
到着し、手術台へ移動する。たくさんの看護師さんがいた。
ブラックジャックドクターKも手術は一人でやりがちなので私の帝王切開手術もゴルゴ先生がやるものと思っていたのだが、寝転がっている私の枕元に産婦人科の診療部長であるミヤジ先生と麻酔科の医師、小児科の医師が次々と自己紹介に訪れて丁寧に扱われていると知り、ちょっと嬉しくなった。
最後に執刀医であるゴルゴ先生。給食当番っぽい格好で目だけしか見えなかったがいつものように笑顔だった。
ゴ「麻酔が効いてくれば陣痛の痛みも楽になるからね^^」

まず麻酔。痛い。麻酔針の痛みを和らげるための注射からして痛い。痛かったら言うようにと言われたのでどれほど痛いか言いまくった。
その後、麻酔の効きを『冷たく感じる機械』で入念にチェックする。
麻「痛覚は消えますが触覚は残るんですよ」
私「触角は残る・・・・・・???」
麻「不思議ですよね」
胸元は冷たく感じるがお腹の辺りは何も感じない。
ミ「じゃ、痛かったら言って下さいね」
ツンと毛を引っ張られるような痛みがあった。
私「くぁwせdrftgyふじこ」
ミ「え、痛いの??」
小さな注射でお腹に麻酔を一発追加された。
ミ「今度はどう?」
私「・・・・・・」
なんだかよくわからない顔の私を見て麻酔医がゴーサインを出し、手術開始となった。麻酔の効き待ちで既に30分ぐらい経っていた。
ギコギコギコ。
えー、スパッと切れるんじゃないの??ゴッドハンド輝では(以下略)でちょっと怖くなり、無影灯に映っている手術の様子を見る勇気がなくなる。
しばらくギコギコが繰り返されたあと、
助「はい、じゃあお腹押しますよ」
ミヤジ先生がお腹を押した。
助「破水です。破水しました。はいもう頭出ていますよー。」
股間からドドドっと液体があふれ出る。お腹の中から何かがひきずり出される。わー何やってるんですかー。
オギャー、オギャー、オギャー

ああ産まれたんだな、と思った。
赤ん坊は部屋の隅っこに連れて行かれ、流水で洗われている様子。
絶え間ない泣き声と手術室内に流れる音楽が混ざって、なんだかむやみに感動した。
助「元気な女の子ですよ」
ああ女の子か・・でも、これはこれでホームランだよ。
カンガルーケアこそできなかったが、娘の足を触ることができた。

そしてすぐ口にカップをはめられて、目の前の景色がゆがんだ。
誘拐されるとこんな風にされるんだなぁ。