キンギラギンにさりげなく(前編)
今日は新しい課長配下での歓迎会である。
私は少し遅れて行ったので年齢層の高い席に座ることになった。
・・・仕事の内容を明かすわけにはいかんのでそこの話題を一つ。
たらふく酒を飲んだ新人のマジマくんが、
「毎朝あいさつをしても殆どの人が応えてくれない」
というこの業界の新人にありがちな苦しい胸の内を明かしていた。
それに対し、女課長代理のアスカさんが「あいさつを返さないほうがおかしい、あいさつをするのが正しい」と女らしい説得をしていると、それを聞いていたアンドーくん(私の同期)がテーブルにお猪口をバチャリと置き、
「オマエは返事が欲しくて挨拶をしているのか!?」
と一喝した。
それを聞いた一同は揃って声を上げ、アスカさんをはじめとした周りの人間が競うようにアンドーくんに酒をつぎ始めた。
(明日に続く)